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『念のために聞くが、それって、お前の話じゃないよな』
【あらすじ】
●特別裁判所に招集された12名の陪審員。彼らが審理するのは1742年(寛保元年)の江戸小伝馬町で、被告人・鈴代屋伝兵衛が引き起こしたとされる放火事件についてである。すでに結審した、それも300年も前の事件を審理する事に意味を見いだせず、陪審長を除く11名は困惑していた。被告人は既に死罪でこの世になく、公判事実に疑いもないことから当然の事ながら、初めに出された結論は「有罪」であった。
●この特別陪審はまたの名を仮想現実陪審「オシラス」という。特殊な装置に依り、過去に実在した事件の当事者たちの視覚や聴覚などの感覚を共有することで三審制のなかった当時において、適正な裁きが行われていたのかどうかを現代人の感覚でもう一度審査するための場である。半信半疑ながらも、装置に座り、それぞれが疑似体験をして当事者たちの感覚を見聞きする事になった。その直後の評決において6號陪審だけが「無罪」を主張し始める。
●いつしか疑似体験だったはずの当事者たちの行動や心情は、陪審員それぞれの立場に重なって見える。自分の見聞きした、若しくは見たいものだけを選び出して、事件における真偽を見定め人を裁く難しさを思いめぐらせる12人の陪審喜劇。
(2014年7月 シアターグリーン BASE THEATER)
レビュー
(21)
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