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第38回公演『殉情わりだす演算子』のDVDです。
男はその建物を人知れず守っている。
ある豪雨の日、4人の女がこの山奥へやってくる。
恋人を殺害してしまった1人の女が、その遺体を山中に遺棄しようと車でやってきた。
しかし降りやまない雨は、彼女たちの引き返す道を奪う。
途方に暮れる彼女らの前には、一棟の建物が見えてきた。
人の気配はなく空き家かと思われた。
躊躇はしたものの、彼女らは冷えた身体と昂ぶった気持ちを休める為に、建物に踏み入れる。
男は、そんな彼女らが立ち入ってくるのを、静かに見守っていた。
その建物は上から見ると十字の形をしている。
若くして夭折した建築家の作と言われているが、人によると「十字架」のようにも見えるし、「+」という演算子にも見えるという。ただ、そういった先入観には何の意味もない事を「私」は知っている。
資産家の父親は山奥深くにあるこの建物を、いずれは我が子に遺そうとしていた。
「この家に初めからあるものは、何一つ変えてはいけない」
という言葉と共に。
彼女はこの建物に、何か言葉で説明のしようのない不穏なものを感じている。
娘を想う父親の気持ちはありがたいが、この建物は手放した方がいいのではないか。
男は、そんな彼女の心が揺れ動くのを、静かに見守っていた。
男はこの建物を守っている。
だが彼もまだ気づいていなかった。本当に守っているのは、自らの殉情かもしれない事を。
そしてそんな男の姿を覗う、白い衣服の5人の男女の存在を。
「私」は記憶する。
この家に踏み入れた時から既に、最悪へ至る演算は始まっていた事を。
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